24一般財団法人の基本財産の定めについて簡単に説明して下さい。

 理事は,一般財団法人の財産のうち一般財団法人の目的である事業を行うために不可欠なものとして定款で定めた基本財産があるときは,定款で定めるところにより,これを維持しなければならず,かつ,これについて一般財団法人の目的である事業を行うことを妨げることとなる処分をしてはならないこととされています。
この「基本財産」の定款の定めは,一般財団法人が個々の事情に応じて任意に設けるものであり,例えば,設立時に拠出された財産や一般財団法人の存続のために確保すべき純資産が当然に「基本財産」に該当するものではありません。
(もちろん,設立時に拠出された財産を基本財産と定めることは可能です)。
なお,「基本財産」は,民法第34条に基づいて設立された財団法人において,主務官庁の指導により置くことが義務付けられていた「基本財産」とも異なる概念です。

25一般社団法人又は一般財団法人は,どのような法人と合併することができますか。

 一般社団法人又は一般財団法人は,他の一般社団法人又は一般財団法人と合併をすることができます。
合併をする法人が一般社団法人のみである場合には,合併後存続する法人又は合併により設立する法人は一般社団法人でなければならず,また,合併をする法人が一般財団法人のみである場合には,合併後存続する法人又は合併により設立する法人は一般財団法人でなければならないこととされています。
    
これらの場合以外の場合において,合併をする一般社団法人が合併契約の締結の日までに基金の全額を返還していないときは,合併後存続する法人又は合併により設立する法人は,一般社団法人でなければならないこととされています。

なお,一般社団法人又は一般財団法人は,他の法律に基づき設立された法人(例えば,特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)に基づき設立された特定非営利活動法人や会社法(平成17年法律第86号)に基づき設立された株式会社)との間で合併をすることはできません。

26一般社団法人は,どのような場合に解散するのですか。

 一般社団法人は,次の(1)から(7)までの場合に解散することとされています。 
(1)定款で定めた存続期間の満了
(2)定款で定めた解散の事由の発生
(3)社員総会の決議
(4)社員が欠けたこと
(5)当該一般社団法人が消滅する合併をしたとき
(6)破産手続開始の決定があったとき
(7)解散命令又は解散の訴えによる解散を命ずる裁判があったとき
なお,長期間変更の登記がされていない,いわゆる休眠一般社団法人(当該一般社団法人に関する登記が最後にあった日から5年を経過したもの)は,法人制度の濫用・悪用の弊害を防ぐため,一定の手続の下で解散したとみなされ,その旨の登記がされることとされています。

27一般財団法人は,どのような場合に解散するのですか。

  一般財団法人は,次の(1)から(7)までの場合に解散することとされています。 
(1) 定款で定めた存続期間の満了
(2) 定款で定めた解散の事由の発生
(3) 法第172条第2項の基本財産の滅失その他の事由による一般財団法人の目的である事業の成功の不能
(4) 当該一般財団法人が消滅する合併をしたとき
(5) 破産手続開始の決定があったとき
(6) 解散命令又は解散の訴えによる解散を命ずる裁判があったとき
(7) 純資産額が2期連続して300万円を下回った場合なお,一般財団法人は,設立者の定めた目的を実現すべき法人であり,一般社団法人の場合とは異なり,設立後に評議員会の決議などの法人の機関の意思決定によって自主的に解散することはできないこととされています。
しかし,設立時と同様,存立中においても一定規模の財産の保持義務が課されることが相当であり,純資産額が300万円を下回る状態となった場合には解散することとされています。
ただし,不測の事態の場合なども考慮して,単年度の決算で300万円を下回った場合に直ちに解散となるのではなく,2期連続で300万円を下回った場合に解散することとされています。
また,長期間変更の登記がされていない,いわゆる休眠一般財団法人(当該一般財団法人に関する登記が最後にあった日から5年を経過したもの)は,法人制度の濫用・悪用の弊害を防ぐため,一定の手続の下で解散したとみなされその旨の登記がされることとされています。
対象となる団体
 業界団体、被害者団体、同窓会、同好会など人の集まりが対象となります。
 特定の社員のための非収益事業(相互親睦事業)ばかりではなく、必要に応じて収益事業(例:書籍の出版)や公益事業(広く不特定多数のための利益に資する事業)も行うことは可能です。

「尊厳死宣言公正証書」に関する事実実験について、説明して下さい。

  過剰な延命治療を打ち切って、自然の死を迎えることを望む人が多くなってきていますが、その顕れとして、事実実験の一種として、「尊厳死宣言公正証書」の作成例も見られるようになってきました。
 「尊厳死」とは、一般的に「回復の見込みのない末期状態の患者に対して、生命維持治療を差し控え又は中止し、人間としての尊厳を保たせつつ、死を迎えさせることをいう。」と解されています。近代医学は、患者が生きている限り最後まで治療を施すという考え方に忠実に従い、長らく、1分でも1秒でも生かすべく最後まで治療を施す治療が行われてきました。しかし、延命治療に関する医療技術の進歩により、患者が植物状態になっても長年生きている実例などがきっかけとなって、単に延命を図る目的だけの治療が、果たして患者の利益になっているのか、むしろ患者を苦しめ、その尊厳を害しているのではないかという問題認識から、患者本人の意思、すなわち、患者の自己決定権を尊重するという考えが重視されるようになってきました。「尊厳死」は,現代の延命治療技術がもたらした過剰な治療を差し控え又は中止し、単なる死期の引き延ばしを止めることであって許されると考えられるようになりました。
 近時、我が国の医学界などでも、尊厳死の考え方を積極的に容認するようになり、また、過剰な末期治療を施されることによって近親者に物心両面から多大な負担を強いるのではないかという懸念から、自らの考えで尊厳死に関する公正証書作成を嘱託する人も出てくるようになってきました。
 「尊厳死宣言公正証書」とは、嘱託人が自らの考えで尊厳死を望む、すなわち延命措置を差し控え、中止する旨等の宣言をし、公証人がこれを聴取する事実実験をしてその結果を公正証書にする、というものです。
 ところで、尊厳死宣言がある場合に、自己決定権に基づく患者の指示が尊重されるべきものであることは当然としても、医療現場ではそれに必ず従わなければならないとまでは未だ考えられていないこと、治療義務がない過剰な延命治療に当たるか否かは医学的判断によらざるを得ない面があること、などからすると、尊厳死宣言公正証書を作成した場合にも、必ず尊厳死が実現するとは限りません。もっとも、尊厳死の普及を目的している日本尊厳死協会の機関誌「リビング・ウィル」のアンケート結果によれば、同協会が登録・保管している「尊厳死の宣言書」を医師に示したことによる医師の尊厳死許容率は、平成15年は95.9パーセント、平成16年は95.8パーセントに及んでおり、このことからすると、医療現場でも、大勢としては、尊厳死を容認していることが窺えます。いずれにしろ、尊厳死を迎える状況になる以前に、担当医師などに尊厳死宣言公正証書を示す必要がありますので、その意思を伝えるにふさわしい信頼できる肉親などに尊厳死宣言公正証書をあらかじめ託しておかれるのがよいのではないかと思われます。尊厳死宣言公正証書の一例を、下記に記しておきますので、参考にしてみて下さい。

 

【文例 2】

 

尊厳死宣言公正証書

   本公証人は、尊厳死宣言者○○○○の嘱託により、平成○○年○月○日、その陳述内容が嘱託人の真意であることを確認の上、宣言に関する陳述の趣旨を録取し、この証書を作成する。
  第1条 私○○○○は、私が将来病気に罹り、それが不治であり、かつ、死期が迫っている場合に備えて、私の家族及び私の医療に携わっている方々に以下の要望を宣言します。
   1 私の疾病が現在の医学では不治の状態に陥り既に死期が迫っていると担当医を含む2名以上の医師により診断された場合には、死期を延ばすためだけの延命措置は一切行わないでください。
   2 しかし、私の苦痛を和らげる処置は最大限実施してください。そのために、麻薬などの副作用により死亡時期が早まったとしてもかまいません。
  第2条 この証書の作成に当たっては、あらかじめ私の家族である次の者の了解を得ております。

 

     妻   ○ ○ ○ ○   昭和  年 月 日生
     長男  ○ ○ ○ ○   平成  年 月 日生
     長女  ○ ○ ○ ○   平成  年 月 日生

    私に前条記載の症状が発生したときは、医師も家族も私の意思に従い、私が人間として尊厳を保った安らかな死を迎えることができるよう御配慮ください。
  第3条 私のこの宣言による要望を忠実に果して下さる方々に深く感謝申し上げます。そして、その方々が私の要望に従ってされた行為の一切の責任は、私自身にあります。警察、検察の関係者におかれましては、私の家族や医師が私の意思に沿った行動を執ったことにより、これら方々に対する犯罪捜査や訴追の対象とすることのないよう特にお願いします。
  第4条 この宣言は、私の精神が健全な状態にあるときにしたものであります。したがって、私の精神が健全な状態にあるときに私自身が撤回しない限り、その効力を持続するものであることを明らかにしておきます。

 

【解説】
  (第1条関係)

   1  この証書の核心部分で、延命治療の差し控え、中止の宣言と併せて苦痛除去のための麻薬などの使用による死期の早まりの容認を述べています。
   2  延命治療の差し控え、中止(尊厳死)が許容される場合として大方の意見の一致をみているのは、医学的所見により不治の状態にあり、死期が迫っていて、延命治療が人工的に死期を引き延ばすだけという状態にある場合です。したがって、植物状態になっただけでは、それがある程度継続していても、尊厳死を許容することについては、現状では問題が多く、公正証書化は無理かと思われます。
  ( 第2条関係)
 医療の現場では、延命治療の差し控え、中止をするか否かの判断に当たっては、本人の意思のほか、家族の了承が重んじられている現状にあるので、できれば、この文例にあるようにあらかじめ家族の了承を得ておくのが望ましいのです。
  ( 第3条関係)
 医療現場においては、刑事訴追を懸念するあまり、尊厳死宣言に対し、過剰に拒否的態度に出る医師もないとは限りませんので、この文例では、嘱託人が、その指示に従って医療をしてくれた医師等を捜査や訴追の対象にしないことを望むとの記載をしておくこととしたものです。
  ( 第4条関係)
 延命医療の差し控え、中止の意思は、治療行為の当時になければならないため、宣言が有効に撤回されない限り宣言の効力が持続している旨述べているのです。

その1内容証明郵便とは

これは、差出人(あなた)が同じ文章の手紙を3通作成し、1通を相手に、1通を郵便局が保存し、もう1通を差出人(あなた)の手元に残しておくものです。

内容証明郵便によって、「内容」「出した日」が総務省(昔の郵政省)によって「証明」されます。しかし、相手にいつ届くかはこれだけではわかりませんので、必ず、配達した年月日を証明してくれる「配達証明」の制度を一緒に利用します。

これは、書留郵便に対して認められるもので、配達日が書いてある葉書が後日、あなたの手元に送られてきます。内容証明の1通と、この、配達証明をセットにして、保管しておきましょう

その2内容証明のメリット

 内容証明は、基本的に”お手紙”です。ですから、法律的な強制力はありません。

では、なぜ、みなさん、内容証明郵便を使うのでしょうか?それは、相手にプレッシャーを与えることができるからです。

精神的な強制力が期待できる。それが、最大のメリットでしょう。

受取り側に、次は訴訟を起こされるのでは、、、という、不安と、心理的な圧迫感を与え、こちらの要望に応えてもらおう、ということなんです。

次に、日付の付与ですね。確定日付が必要な通知には、この、内容証明郵便は、欠かせません。

内容と日付が「証明」されるので、後に裁判になったときに証拠として、利用します。また、裁判にまでならなくても、言った、言わないの水掛け論がなくなります。これは、とても大きなメリットですね。

公証人は、公正証書作成の場合にグレーゾーン金利をどう取り扱っているのですか。

 公証人法26条は、無効な法律行為について公正証書を作成することを禁止しています。
 利息制限法に反する契約は無効です。
 したがって、公証人は、嘱託人にそのことを説明し、嘱託人の了解を得て、利息制限法の範  囲内の利息に引き直した上、公正証書を作成しています。

債務弁済契約公正証書には、いくらの収入印紙を貼るのですか。

 原則として目的価格に関係なく一律200円です。

離婚に関する公正証書は、どのような条項から成り立っているのですか。

 公証人が作成する離婚に関する公正証書を離婚給付等契約公正証書といいますが、通常は、離婚の合意、親権者と監護権者(監護権者とは、子の監護養育をする者で、親権と分離して別に監護者を定めない限り、親権者が当然監護養育すべきことになります。)の定め、子供の養育費、子供との面接交渉、離婚慰謝料、離婚による財産分与、住所変更等の通知義務、清算条項、強制執行認諾の各条項が入ります。

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