遺言書は、?家庭内が不仲の場合 仲の悪い兄弟にとって、遺産分割協議をうまくまとめることは、大変困難なものです。 このような場合に遺言なしで、遺産を遺すことは火に油を注ぐようなものです。?相続人と音信不通の場合 遺産分割協議は、相続人全員で行わなければなりません。音信不通の相続人がいる場合も同じで、不在者の財産管理人を選任するなどの手間と時間がかかることは既に実話で解説したとおりです。相続人になるべき人で音信不通の方がいる場合は、必ず遺言を作成しておきましょう。 ?農業や事業を承継すべき場合 農業や事業を継がせる場合、遺言書がないと法定相続分での分割を強いられる恐れがあります。農地などを分割されないよう、遺言書で誰に継がせるかを記載しておく必要があります。また、事業を子どもに承継させたい場合にも、株式や事業用の財産を分散させないように、経営者に承継させる遺言を残しておくことが大切です。 ?再婚している場合 交流のない子ども同士でも、遺産分割協議では、嫌でも顔を合わせて話し合う必要があります。遺言書を作ることによって、遺産分割協議を経ずに相続手続が可能になります。
家族以外の人に財産を渡したい場合
相続人でない方に遺産を遺したい場合には、「遺贈」という方法が有効です。ただ、その場合は、必ず遺言をする必要があります。また、入籍していない内縁の妻(夫)には、相続権がないので、内縁の妻(夫)に遺産を遺すには、遺贈する旨の遺言をしておく必要がありあます。
子どもがいない場合
子どもがいない場合、配偶者以外はまず故人の直系尊属(父母・祖父母)が相続人となります。直系尊属が、既に死亡している場合は故人の兄弟姉妹、兄弟姉妹が既に死亡している場合はその子である甥、姪が相続人になります。
兄弟姉妹ともめる心配を無くすためにも、遺言は残しておきたいものです。
その他にもこんな場合があります。
遺言書の種類と遺し方
■自筆証書遺言
本人が全文を手書きするものです。本文以外にも必ず日付、署名、押印が必要です。
また、パソコンで作成したものや他人が代筆した場合は無効となります。
この自筆証書遺言は、手軽に作成できるように思われがちですが、実際には民法の厳格な規定に照らされ無効になることも多く、また、自分で作成した遺言書を自分で保管しなければならないことや、「偽造、変造、紛失の危険である」「相続開始の後、家庭裁判所の検認手続を経なければ開封できない」「検認のための手間がかかる」などデメリットを充分に認識しておく必要があります。
■公正証書遺言
公正証書遺言の作成方法は、本来「遺言者が話した遺言内容を公証人が書き留める」というのが正式ですが、現状では、あらかじめ、公証人と遺言内容を事前に打ち合わせておき、作成当日に遺言者に内容を確認してもらうという方法が実務上広く行われています。公正証書遺言にしておくことのメリットとして、公証人が作成してくれるので「法律上の形式違反による無効の恐れが少ないということ」「原本を公証役場で保管するので、偽造、変造、紛失の恐れが少ない」「相続開始後に、家庭裁判所の検認手続が不要なので、名義変更手続きがスムーズに行える」ということがあります。デメリットとしては、費用が一定額必要になるということがあります。
自筆証書遺言と公正証書遺言の比較表
自筆証書遺言 |
公正証書遺言 |
|
作成者 |
遺言者本人 |
公証人 |
証人・立会人 |
必要なし |
2人以上 |
署名捺印 |
遺言者本人 |
遺言者、証人、公証人 |
日付 |
年月日まで記入 |
年月日まで記入 |
印鑑 |
実印・認め印・拇印のいずれでも可 |
本人・証人ともに実印(公正証書遺言の作成時印鑑証明書持参) |
費用 |
かからない |
作成手数料 |
封入 |
不要 |
不要 |
保管 |
遺言者本人 |
公正証書遺言の原本は公証役場が保管。正本は遺言者本人が保管 |
検認手続 |
必要 |
不要 |
備考 |
秘密を保つ事が容易であるが保管が難しい |
保管は確実だが秘密が漏れるおそれがある |
結局!!「自筆証書遺言と公正証書遺言どっちがいいの?」
結論
費用がかかることを除いては、公正証書遺言の方が、安全性、確実性、手続の容易性で、断然優れています。
「遺言書を作る。作りたい。」と考えているあなたへ
専門家の活用方法
遺言が必要な理由は人それぞれ、家庭の状況によってもそれぞれ違います。
10人いれば、10通り、100人いれば、100通りの遺言ができます。
マスコミや、インターネット、本や雑誌でも、相続・遺言の情報があふれています。
しかし、一般人の方が、自分の死後の不動産登記、預貯金の解約、引き出しの事務手続、財産の分配、運用、税務、法律などに関する幅広い問題を、すべてクリアーする遺言書を作成することは、きわめて困難といわざるを言えません。
ましてや、武田が薦める公正証書遺言にしても、一般の方が、公証人と直接やり取りする場合、公証人への予約、持参する書類の収集(戸籍関係、本人確認書類)保証人の選任、遺言内容の事前打ち合わせと、何度となく足を運ぶことになります。
一般の方の説明が悪いと、公証人の見立ても違ってきます。
言葉の使い方一つで、法律解釈が違ってくるのです。
本当にあった話で、「相続させる」と「遺贈させる」を間違えて使ったお陰で
農地の不動産登記ができなかったケースがありあます。
できた遺言書に、欠陥があって、相続がスムーズにいかなかったとしたら・・・
「死んでも死にきれない。」ですよね。
せっかくの遺言を無駄に終わらせないためにも、お近くの行政書士、司法書士、弁護士、税理士に相談することを強くおすすめします。
ただし、お医者さんと同じで、担当する業務で「得意、不得意」がありますので、相続・遺言の専門家をお選びください。
お近くに専門家がいない方は、武田にご相談ください。
武田には、専門のプロ集団(司法書士、弁護士、税理士)すべてが、付いてますから、どんな相続・遺言にも対応できます。
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