NPO法人は非営利って聞くけど、利益をあげてはいけないのですか?

 よく誤解されますが、営利を目的としないとは、NPO法人が利益を上げてはいけないということではありません。
例えば、環境保護を訴えるイベントを開催して、集まった人々から参加費をもらうことは問題ありません。
ただ活動により余った利益を構成員(NPO法人では「社員」)に分配したり、また財産を構成員に還元したりしないということです。分かりやすく言うと、決算で100万円が余ったからといって、社員(従業員のことではありません)20人で5万円ずつ山分けをするようなことはできないということです。
営利法人である株式会社の場合は、利益が上がれば構成員である株主に対して、配当という形で利益を分配できますが、NPO法人はこうした分配ができず、余剰利益は次年度の活動のために繰り越すことになります。ここで言う利益とは、売り上げから職員の給料等の必要な経費を差し引いた残りのことを言います。

どのような活動に対してもNPO法人格を得ることができますか?

 NPO法人は、その法の趣旨から「特定非営利活動」として公益性の高い以下の17分野に活動範囲を限定しています。
  • 保険、医療又は福祉の増進を図る活動
  • 社会教育の推進を図る活動
  • まちづくりの推進を図る活動
  • 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
  • 環境の保全を図る活動
  • 災害救援活動
  • 地域安全活動
  • 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
  • 国際協力の活動
  • 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
  • 子どもの健全育成を図る活動
  • 情報化社会の発展を図る活動
  • 科学技術の振興を図る活動
  • 経済活動の活性化を図る活動
  • 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
  • 消費者の保護を図る活動
  • 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
但し、これら17分野に直接該当しないとしても、活動の結果が上記のいずれかに貢献するようなものであれば、認められる可能性は充分にあるようです。

NPO法人となるにはどうすればいいですか?

法律に基づいてNPO法人となるには、次のような要件を満たすことが必要です。
  ○特定非営利活動(活動範囲が上記の17分野)を行うことを主たる目的とすること 。
  ○営利を目的としないものであること(利益を社員で分配しないこと)
  ○社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと 。
  ○役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること。
  ○宗教活動や政治活動を主たる目的とするものでないこと 。
  ○特定の公職者(候補者を含む)又は政党を推薦、支持、反対することを目的とするものでないこと。
  ○暴力団でないこと、暴力団又は暴力団の構成員等の統制の下にある団体でないこと。
  ○10人以上の社員を有するものであること(うち理事3人以上、監事1人以上を含む)また、所定の設立手続(申請)から所轄庁(都道府県知事等)の認定等の決定を受けるまでに要する期間は、申請書の受理後4ヶ月以内とされています(内閣府国民生活局)。

NPO法人設立の申請書はどこで入手することができますか?

必要箇所に書き込むだけでいいような申請書類一式を配布しているところは基本的にはありませんので、自分達で全部作ることになります。
ただ、各所轄庁で申請用の手引書を用意しており、その中に様式例が載っているので、それを参考にして下さい。最近はインターネットで様式をダウンロード出来るところも一部出てきてます。
なお、所轄庁によりこの様式は違っているので、必ず提出先の手引書を用意して下さい。東京都は有料ですが、だいたいは無料でもらうことができます。

都道府県認証と内閣府認証では何か違いがありますか?

よく内閣府の方が格が上だと勘違いされる方もおられますが、管轄する役所が違うというだけで、その他の違いはありません。内閣府認証は事務所が2県以上にまたがる団体をどの県が管轄するかが、ややこしくなるので、便宜的に内閣府が管轄しているに過ぎません。
都道府県認証であっても活動はその県のみしかできないということはなく、全国、全世界どこでも活動でき、内容に制限がある訳ではありません。有名な世界で活躍するAMDAやピース ウィンズ・ジャパンはそれぞれ、岡山県、東京都の認証です。
たまに実態がないのに無理やり事務所を2県以上に置いて内閣府に申請しようとする方がおられますが、事務所の分だけ経費が余計にかかってくるだけですので、イメージだけで内閣府申請をしようというのは、お勧めできません。

NPO法人が支払う税金は?

会費や寄付金には基本的には税金はかからない上に、設立登記の際に会社なら一定の金額を支払う必要のある登録免許税も不要なので、優遇されているといえます。法人税については、法人税法で規定された収益事業(33業種)を行った場合には、その収益に対して営利法人並みに課税されます。

逆にいうとこれに該当しない場合は支払わなくてもいいということです。
活動を行っていなくても、法人として存在する以上、毎年住民税が都道府県と市町村あわせて7万円課税されます。
ただし、これについてはほとんどの自治体で、上記の収益事業を行っていないなどの一定の要件を満たせば、減免する措置を設けています。
自治体によっては収益事業を行っていても赤字であれば、課税しないというところもあるようですので、それぞれの自治体でご確認下さい。
消費税についても課税売上高が1000万円を超える団体は対象となります(以前は3000万円でしたが、基準が1000万円に下げられています)。
この課税売上高は2年前の事業年度で判断します。
主なものだけあげてありますが、詳しくは税務署や都道府県税事務所へお問合せ下さい。

社員とは?

社員とはNPO法人が雇用する職員という意味ではありません。
社団の構成員を指し、具体的には総会で議決権を持つ会員のことをいいます。
NPO法人ではこの社員が10人いなければなりません。 
分かりやすく言うと、一緒に活動を推進していくメンバーが10人以上いるか?ということです。
この10人というのはどういうことかと言いますと、活動の趣旨に賛同して一緒にやっていく仲間が10人も集まらないような活動は、公益的な活動とは言えないだろうということです。
NPO法人は公益すなわち社会全体の利益のための活動をしなければなりませんが、その活動が公益的かどうかの1つの目安として10人という基準が設けられているのです。

公務員はNPO法人の役員になれるのですか?

国家公務員でも地方公務員であっても、社員はもちろんのこと、非常勤で無報酬であれば、基本的に許可なく役員になれます。
職務の専任義務というのがありますが、勤務中はその仕事に専念しなさいということなので、逆に勤務時間以外に無報酬でNPO活動に参加することを何も止められるものではありません。  ただ、その法人が行政と密接に絡み合って、行政からの仕事を受注する場合は別の問題が発生しますし、場合によっては所属の長の許可を必要とするケースもあるようですので、問題がありそうな場合は、事前に役所内で確認を取られた方がよいと思われます。

NPO法人と株式会社はどこか違うか簡潔に教えて下さい。

NPO法人と株式会社は、主に次のような違いがあります。

NPO法人は利益を上げることを主たる目的とはしていません。(株式会社は利益を上げると株主に、配当と言う形で利益を分配するが、NPO法人は分配してはいけません)
NPO法人は、ボランティアや寄付者などの協力を得やすいです。
NPO法人は、活動を応援、支援してくれる人々からの会費や寄付金など、お金を集める手段が違います。

NPO法人の社員には、法人や任意団体、外国人、未成年者はなることができるのですか?

社員の資格については、法律上は特段の規定を置いていません。 このため、上記いずれのものも、社員になることに支障はありません。
ただし、社員になるというのも一種の法律行為であることから、未成年者などの法律行為能力に制限のある者については、法定代理人の同意等の制限があります。
また、定款の規定で、上記のものの社員資格に一定の制限をすること(例えば、社員は個人に限る、団体・法人に限る等)は、それが「不当な条件」でない限り認められますので、定款にそのような規定がある法人の場合、非該当者は社員になれません。

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