商号について新会社法ではどう変わりましたか?

1. 旧商法
・ 既に登記されている商号と同一または類似する商号を、同一の営業のために同一市町村内において登記することは出来ません。
・ 自己の商号を登記した者は、不正な競争目的で自己と同一または類似する商号を使用する者に対して、使用の差し止めと損害賠償を請求できます。
2.改正法
・いずれの制限も撤廃され、類似商号であっても登記が出来るようになります。
3.改正の目的
・インターネット等が普及している今日、同一市町村内を基準とする意味は薄れています。
・ 同一の営業という判断基準のついても、必ずしも明確ではなく、会社設立をする際の類似商号の調査は、非常に面倒なものとなっています。
・ 現在は未登記の商号であっても、「商標権」や「不正競争防止法」により登記済みの商号とほぼ同様の保護を受ける事が出来ます。
・ そこで、商号の保護は「不正競争防止法」によって行うものとして、不正競争目的にかかる「商法」の商号保護規定は削除される事になりました。
4.不正競争防止法
・事業者間の公正な競争を確保するために民事上の救済手段と刑事上の制裁を定めた法律
・他社の商号として、広く認識されているものとまぎらわしい商号を用いて商品やサービスを混同させる行為は不正競争にあたるため、その侵害行為の差し止めや損害賠償の請求をする事ができます。
5. 類似商号調査
・同一市町村内で類似商号を使用した会社を設立できるとしても、それは、あくまで登記手続き上の問題に過ぎません。
・登記上の類似商号制度が廃止されたとしても、商号自体が無くなる訳ではないので、法務局における、類似商号調査は従前どおり、行うべきでしょう。
6.商標権調査
・商標権で保護されている商号であるかどうかを確認するための商標権調査も行うべきと思われます。
・その他、当該商号を使用している者がいるかどうかも、インターネット、電話帳などの確認も必要です。
・インターネット登記情報提供サービスを利用すると登記所に行くことなく商号の調査をする事が出来ます。