転用許可を受けないで転用した場合には、農地法に違反することになり、農地の権利取得の効力は生じません。
知事は、無断転用者に対して工事の中止、相当の期間を定めて原状回復その他違反行為の是正を命ずることができます。
又罰則を適用することができます。許可の条件に違反して目的どおり転用しなかった場合は、事情を調査しその結果、相当の事情が無い場合は許可の取消又は、許可条件の変更を命令することができます。
相当の理由が認めれる場合は、転用目的の変更、事業の承継変更により事業の完了を図ることを指導します。
この場合は、あらためて農地法の許可が必要となります。
このような宅地分譲を目的とする転用は?地方公共団体が行うもの、?住宅都市整備公団が行うもの?苫小牧東部開発株式会社、むつ小川原開発株式会社等の政府又は政府機関の出資により設立された法人が行うもの、?民間の公益法人等が行う住宅その他の施設の建設が確実なものは転用が認めれます。
しかし一般には、更地分譲は許可しません。(建売分譲が許可条件です。)その理由は宅地分譲を一般的に認めた場合、農業生産基盤である農地が土地転がしや投機目的に供されることとなり、その結果遊休化していくことが考えられるからです。また、農地とその他の土地を、併用した場合は、その面積の割合で、更地分譲と建売分譲が可能となります。
農地法においては、小作地の所有権を小作人以外に移転しようとする場合、小作人の同意が必要です。
そこで、賃貸人である地主(所有者)は、小作人に対し同意を求めますが、この同意により所有権は移転しますが、賃貸借を解除しなければ、引き続き耕作できます。(現実的には耕作目的で買うでしょうから契約解除はセットになることが予想されます。)
又、永小作権の場合には、登記をしてあれば同様に新しい所有者に権利を主張できます。
ただし、小作契約が使用貸借の場合は新しい所有者に主張できません。
無償で貸している場合は民法上の使用貸借にあたります。
農地法では、第20条で「農地の・・・賃貸借当事者・・・都道府県知事の許可を受けなければ、賃貸借の解除をし、解約の申し入れをしなければならない。」
農地の賃貸借に限って解約等の制限をしており、使用貸借については、制限していません。
期間を定めているときは、期間満了と共に、期間を定めていないときは目的を達した時に返還してもらえます。
農地の賃貸借における小作料は、貸し手、借り手の話し合いによって決まることが原則です。
この契約小作料を定めるにあたって目安となるのが農業委員会が地域の実情に即した小作料標準額を定めていますので、これを参考にすると良いでしょう。
1農地を売った場合
個人又は、農業生産法人が農地等を譲渡したした場合、所得に対し一般には所得税又は、法人税及び住民税が課税さ
れます。
しかしながら、
?農地保有合理化法人の買い入れ協議に基づき譲渡した場合特別控除があります。農業経営基盤強化促進法に基づ
く農地保有合理化法人の買い入れ協議により農用地区域内の農用地を農地保有合理化法人に譲渡した場合、所得
から1,500万円を控除できます。
?農地保有の合理化等のために農地等を譲渡したした場合場合特別控除があります。農用地区域内にある農地の譲
渡で次の要件に該当した場合所得から800万円を控除できます。
ア農地保有合理化法人に譲渡
イ農振法の規定に基づく農業委員会のあっせん等により譲渡した場合
ウ農業経営基盤強化促進法19条の規定による公告があった農用地利用集積計画の定めるところの譲渡した場合エ
農業者年金基金に譲渡した場合等
?住民税個人及び法人の住民税についても所得税と同様な特別控除額を控除した金額により軽減措置があります。
2農地を取得した場合農地を取得した場合には、通常不動産取得税、登録免許税が課税されます。
?不動産取得税の軽減、登録免許税の軽減があります。
1相続の場合は、通常と同じく基礎控除5,000万円と法定相続人1人当たり1,000万円との合計額を控除
2しかし、農地は、農業生産の基盤であり、相続等で農業経営の細分化を防止するため次のような措置があります。
農地等の一括贈与の納税猶予制度
?農業を経営する個人(贈与者)が、その推定相続人の内贈与後農業後継する者に対して農地の全部を贈与した場合、贈与税は贈与者の死亡日まで猶予する。
?その贈与者が死亡した場合には、特例の対象農地は、相続の開始の時贈与者から相続したものとみなして贈与税より税率の低い相続税が課税されます。
?なお、その贈与者の死亡の日前に相続人が農業を廃止したり、農地を第三者に譲渡した場合には納税猶予の全部もしくは一部を打ち切られさかのぼって利子税の納付伴いますので注意が必要です。
?最近では相続時精算課税制度ができたことにより、農地だけでなく他の土地を含めて生前贈与するケースも増えてきています。
1通常の不動産の競売は買受申出人の内、最高価買受申し出人が競落することになります。
農地は通常、農地法の規定により許可が必要です。
この許可を受けることができるかどうか、その資格があるのかどうかを裁判所が判定する必要があります。
これを、買い受け適格証明書により判断するわけです。
この証明書はその権限を有する農業委員会が交付します。
2買受適格証明書の交付は、農地法の許可または、届出の手続に準じて行うことになっています。
この買い受け適格証明書の交付は、農地法の許可・届出の受理そのものではありませんので、競売の結果、最高価買受申出人又は次順位買受申出人になった者はこの旨の証明書を添付して農地法の許可・届出の手続をすることになります。裁判所はこの許可証、受理証が提出された後売却決定をすることになります。
一般の紛争解決のための手段としての裁判所による民事訴訟のほかに、民事調整法に基づく農事調停と、農地法に基づく農業委員会(又は都道府県知事)による和解の仲介の制度が設けられています。
(1)行政庁に不服申し立てする場合(行政不服審査法)行政庁に違法又は、不当な処分その他の公権力の行使にあたる行為があった場合
(2)裁判所に訴訟を提起する場合(行政事件訴訟法)行政処分が法令に違反している時は裁判所に訴訟を提起できます。
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