≫ ゼロ戦と日本刀

 アメブロ「人の心に灯をともす」るより出展

 
 
百田尚樹氏の心に響く言葉より…


グローバル経済、ボーダレス社会は、言葉は理想主義的でもっともらしいのですが、現実には多くの問題をはらんでいます。

たとえば日本メーカーが世界を相手に競争しようとすれば、製造コストをできるだけ引き下げなければ勝てません。

コストを下げるためにはまず、人件費、つまり従業員に支払う給与を下げなければなりません。


実際、1990年代ころからは中国の人件費が安いということで、多くの日本メーカーが中国に進出しました。

中国人の所得が上がってくると、もっと安い国に移転する企業が現れました。


こうした選択は、日本の国力を考えた場合、本当にベストだったのでしょうか。

それまでは「メイド・イン・ジャパン」で国内の日本人がものづくりをしていました。

人件費がかかって製造コストは高かったかもしれませんが、そのお金は社員や下請けを含めすべて日本人に支払われていました。


企業は日本に税金を納め、労働者は高い賃金を得て、その賃金から日本製の高額な製品を買う好循環ができていました。

しかしいまや、労働者の賃金を引き下げたおかげで、企業と外国人投資家を含めた株主は儲かる一方ですが、貧富の差が拡大した結果、最大公約数の生活水準は以前より下がってしまいました。


海外進出した企業のお金は、賃金や投資、税金といったさまざまな形で国外に流出しています。

最大の進出先は中国ですから、中国は日本から流出した資金を使って、日本の脅威となる軍備を増強しているわけです。


経済至上主義のグローバル化を追求すると、問題が起こることはたしかです。

だから、国内の雇用、賃金水準を維持している企業には、税制面などの優遇措置を取るべきだと個人的には思います。


たしかに経済のグローバル化は避けられません。

だがその一方で、日本では崩れてしまった終身雇用制度も、欧米では逆に取り入れて業績を伸ばしている企業が少なくないといいます。

雇用の安定は社員のモチベーションや頑張りにつながります。

事はそう単純ではないのです。


グローバル化を推進する場合は外交力とセットにすべきでしょう。

日本のお金を落とすことによって、安全保障上の同盟関係がより強固になるような国と手を結ぶべきです。

ベトナムやタイなどを、両者繁栄のビジネス・外交パートナーに選べばいいのです。


それだけの政治のリーダーシップを発揮できる人は、安倍首相しかいないと思います。

そのためにも、安倍首相には長期政権を築いてもらいたいと願っています。

『ゼロ戦と日本刀』(百田尚樹&渡部昇一)PHP研究所



百田尚樹氏は、今話題の映画「永遠の0(ゼロ)」の原作者だ。

戦後世代の姉弟が、ゼロ戦パイロットとして幾多の戦場を戦い最後は特攻に散った祖父の生涯をしらべていくという形で物語が進んでいく。


百田氏は、ゼロ戦についてこう語る。

「ゼロ戦は、あらゆる意味で日本と日本人を象徴していると思います。

資源の乏しい国がこしらえたゆえに、美しさと表裏一体のもろさをもっている。

たとえるとその斬れ味は、日本刀に似ています。

美しく強靭でありながら、同時に折れやすい。

ゼロ戦は日本刀と同様、防御が弱かった。

その一方でゼロ戦は造形が美しい。

紛れもなく当時における世界最高水準の戦闘機で、倍の敵戦闘機と渡り合う戦闘力を有していました。

だからこそ、現在でも世界中にファンがいる。

これも日本刀とよく似ています」(以上、同書より)


今、自分の洋服を下着から上着まで全て日本製(メイド・イン・ジャパン)でそろえようとしたら、それがいかに難しいか分かる。

食事も同じで、肥料等も含めると、日本製の食材だけで食事することは至難のわざだ。


これは、ゼロ戦と同じく、防御をせずにグローバル化をすすめてきたようなものだ。

経済成長の名のもと、国の安全保障の要(かなめ)である農業や、製造業の技術が、長い間ないがしろにされてきた。


メイド・イン・ジャパンで頑張っている人を、もっともっと応援したい。
 
 
 

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