≫ 相続は、人間の感情と欲得が絡み合うと、なかなか解決しません。(その2)

相続は、人間の感情と欲得が絡み合うと、なかなか解決しません。(その1)の続きです。


私はその日の夕方、依頼人に甲から電話の内容を伝えました。


「甲達は原状ではハンコは押さないようだ。」ということ。

「すこし分配の方法を検討してはどうか。」と、やんわりとお伝えしました。


そしたら、次のような返答がありました。


●死んだ長女の夫は、道楽者で、ギャンブルが好き、いつも生活は火の車、そこに失業したため生活は一層貧窮した。


●生前長女が実家に泣きついてきて死んだ父親が、そのたびに援助していた。

最後は長女が病気になりその医療費を夫が借りに来て未だにかえしていない。親戚でもあり、借証書はとっていない。


●返済をせまったが、知らぬ存ぜぬで、それが原因で疎遠となった。

だから葬式にも顔を出せなかったのだと。


●また、長女の長男(甲のこと)は、サラ金に手を出し返済不能となり自己破産した。その際の手続費用も死んだ父親が出している。

当人が知らないだけだと。


(まぁ~こっちの言い分もごもっともです。そりゃ~配分無いはなわなぁ~)


依頼人が「甲に説明するから」となり、一旦電話を切りました。


それから数日後、依頼人から再びお呼びの電話がありました。


甲とは、話し合いが着いた。

ハンコを押すことを条件に、いくらかの現金を渡すことになったとのこと。

協議の結果をメモ書きしておいたので、それを正式な書類にして欲しい。


メモの内容は、妻が預貯金・保険

(これは契約者名義のこと。死亡保険金ではないです。)を相続する。


これ以外の財産は長男が相続する。

次女、次男、亡長女は、生前に贈与を受けており、今回の相続分は無い。


そのメモにもとづき私は書類(遺産分割協議書)を作り数日後、お届けしました。基本的には最初に長男が説明した通りです。


後は、書類が揃うのを待つだけです。


そしたら、またまた、その数日後、

今度は、死んだ長女の夫から電話がありました。


ちょっとおもしろいので、やり取りを書いてみます。


夫:書類(遺産分割協議書)を書いたのか?

  書いた内容が公平な分配でない限り、手続を進めないでくれ。

  私の頭の中(進めるも何も、まだ手元に何も揃ってないし~)


武田:話し合いの結果を書類にしました。既に長男さんに届けてあります。


夫:どんな内容なんだ。公平になっているのか?公平でないなら認めない。

  私の頭の中(公平かどうかは知りません。)

  

  行政書士として中立の立場で行動してくれ。

  私の頭の中(あなたの都合の良い立場でしょう?)

  

  私が葬式に出ない理由は聞いているだろう?

  私の頭の中(あなたが、悪いと聞いていますよ。)


武田:だから、話し合いの結果を書類にしています。

   言っておきますが、私は、あなた方の間に入ってまとめる人ではありま 

    せん。ただ単純に、話し合いの結果で手続きするだけです。


夫:あんたは、村の行政書士だろう。

  俺は、○○市の司法書士にも相談したし、福島県の弁護士会長も

  知ってる。だからそちらに訴えることもできるんだ。

  私の頭の中(おっしゃる通り、村の行政書士です。)

        (相談するのはそちらの自由です。)

  (弁護士でもなんでも訴えてください。)

  (私には関係のないことです。)

  (ところで、あなたには、今回の相続でなんの権利も無いで   

   すから~)


武田:どなたに相談しても、訴えてもかまいません。

   あなたの自由になさってください。

   

   何度も言うように、話し合いの結果で書類を作りますから、

   不服であれば、ハンコ押さなければ良いんです。


   私は、今の段階では何もできません。ご安心ください。

   どうぞ長男さんとお話し合いしてください。


   これで電話を切りました。


やり取りは依頼主にも報告しました。


最後に依頼主に頼みました。


死んだ長女の子ども甲乙に、連絡を取って

「あなた方の父親は、なんの権利も無いので、武田ところには電話しないで欲しいと。」


依頼主は申し訳なさそうに受け答えをしておりました。


数ヶ月経ちましたが、依頼主からは、まだ連絡がありません。



相続を数多く手がけると、こんなこともあります。

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